まだ間に合う!飲食店は消費税増税にどう対応する?2019年駆け込み版

まだ間に合う!飲食店は消費税増税にどう対応する?2019年駆け込み版

いよいよ2019年10月に消費税が10%に増税されます。
税率5%の民主党政権時代に法律が成立し、導入には段階的に8%、10%へ引き上げる計画のもと、政権交代後の2014年、第2次安倍政権で5%から8%に増税されましたが10%への延期は2度延期されておりました。
2度あることは3度ある?という微かな期待もありましたが安倍首相いわく、

「リーマン・ショック級の出来事がない限り引き上げさせていただく」

参考:リーマン・ショック級出来事ない限り消費税引き上げ=安倍首相 | ロイター

医療や介護などの社会保障コストが増加が止まらないのと教育無償化の充実に向けた財源の確保が必要とのことで確実に導入されることでしょう。

これまで本体価格10,000円、税率8%で総額10,800円のものが増税後は11,000円になるわけです。

本体価格の1割増なので計算しやすいっちゃ計算しやすいですけどね。

ということで飲食業界や小売業界で迫られている消費税増税の対応方法についてまとめました。

おなたのお店の価格表記は内税?外税?総額?

一番影響があるのは消費者向けの価格表記です。
まずは自分のお店の現状の価格表記を確認しましょう。

税別表記ですか?税込み表記ですか?

総額表示の義務付け

その前に予備知識
実は消費税導入当時はお客様が支払う金額の表示、いわゆる総額表示が義務付けられていたんです
購入者からすればわかりやすいですよね。
税率を8%とすると本体価格が7,980円だったら消費税638円と合わせて総額8,618円が販売価格です。

元々は総額表示一択

段階引き上げに伴い総額表示の特例を採用

先に説明したように表示価格と支払価格が異なるなど消費者の混乱を避けるために例外なく商品には総額表示が義務付けられておりました。

ただし将来的に消費税の引き上げがわかっている場合、総額表示だとどうなりますか?
回答:税率変更のたびに値札を変更することになり販売者側には非常に不都合です。

そこで5%から8%さらに10%への段階引き上げの対策として総額表示の特例が設けられました。

どういうことかというと、

値札などお客様に見せる価格表記は税別の本体価格でいいですよ。
それだったら税率変わっても値札の張り替えやらメニューの変更不要でしょ?

ということです。
※ただし「本体価格」「税別」などの表記が必要

こういうことですね。

値札
値札

これだと税率が変わっても値札はそのまま利用可能です。
もちろん支払い金額は変わりますが…

お客様本位で総額表示

とはいえ本体価格だけだとお客様からしたらレジでおくら払えばいいかわからないですよね?
親切心から総額であったり消費税額を併記している場合があります。
こういうことです。

値札(プラス税)
値札(プラス税)

値札(総額追記)
値札(総額追記)

お客様本位なのはわかるしトラブルは回避できますけど規制緩和の意図をわかってない…。

この表記だと税率が変わるたびに値札(メニューブック)の変更が必要です。

ということで

さあ、あなたのお店の価格表記はどれにあてはまるでしょうか?

価格表記別の対応方法

税別表記、税込表記の違いがわかったところでここから消費税増税に向けた価格表記の対応方法を説明します。

税別表示の場合

本体価格のみ表記している場合ですね。

値札
値札

税別表示の場合は特に対応は不要です。

総額、税表示の場合

総額であったり消費税額を表記している場合は対応が必要です。

値札(総額追記)
値札(総額追記)

値札(プラス税)
値札(プラス税)

さらに、値札やメニューを変更するタイミングによって変更内容が変わります。

増税のタイミングで変更する場合

2019年10月1日の増税のタイミングで変更する場合は総額及び消費税額の表示を変更しますがくれぐれも増税前の旧価格を案内しないことが大事です。
なんなら値札のテンプレート変更、メニューブック自体のデザインをリニューアルしてもいいかもしれません。

ただしこの方法はあまりオススメしません。
切り替えのタイミングは神経質になりますし、営業終了後に夜間作業、なんなら休業して対応する必要があります。

※お客様にとっては親切ですし、10%に増税後にすぐすぐさらに増税ということは無いと思うので絶対NGということはありません。

増税前に変更する場合(オススメ)

オススメは増税前の変更です。
税別表記にして、もう2019年10月1日を待たずに変更しちゃいます。
税別に変更
税別に変更

この方法であれば間際でバタバタせずに余裕を持って対応することができます。
他にもメリットがありますので読み進めてください!

本体価格表記には購買意欲を誘うメリットも

当ブログとしては世間のお客様にも浸透しているので税別表記をおすすめしますが税別表記には他にもメリットがあります。

増税前に値上げができる

飲食店、小売店にとって値上げは客足が遠のくかもしれない、悪評が立つかもしれないなどの理由で二の足踏むところですよね。
そんなお悩みをお持ちの経営者は増税前のこのタイミングで値上げしちゃいましょう。
増税までに一時的に叩かれる可能性はありますが10月になれば他のお店の便乗値上げの話題でかき消されます。
なんなら増税前の駆け込み需要にあやかれるかもしれません。

勇気を持って増税前に値上げに踏み切るべきです!

なんといっても安く見える

わかっちゃいるけど本体価格だけ表示するほうが安く見えますよね。

7,980円(税別)8,618円(税込)だとどちらがうれしいですか?
日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長(ヤオコー会長)によれば、昨年末の記者会見で食品スーパーの業績が14年以降、堅調に推移した最大の要因として税別表示への切り替えが挙げられる。
とのことです。

参考:消費税問題 政府が総額表示推奨へ 重大なデフレリスク再来 スーパーなど反発必至|食品新聞

この話題に関してはちょっとした前フリでして、政府が総額表示を推奨する理由を次の記事で説明したいと思います。
書きました。

税別表記はいつまで?

税別表記(総額表示の特例)はあくまで特例です。
令和3年(2021年)3月31日まで期間限定となりますのでご注意ください。

その他価格表記の具体例についてはこちらをご参考に
参考:総額表示義務の特例措置に関する事例集|国税庁

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